前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

144.私の夫婦でゴルフ体験記9

その後は2月に平日休みが取れたので新玉村ゴルフ場に行きました。そしてその日もやはり混んでおり、もはや旅行のように平日なら空いているなんて事はない時代になっている事に気がつきました。土曜日は高いしコンペが多いから混んでるしなるべく避けたい。その後は、この経験から一番やり易いのは少し高めだけれど日曜日ではないかと思うようになりました。この日も後続組がいない時は普通にプレーが出来るのですが、後続組が来てしまうと途端にバタバタし出すという症状が出始めました。ここまで来ると敢えて症状と言います。妻はこの辺りから私の急かす行動に異議を唱えるようになりました。「ゆっくり打たせて」とか「あまり喋らないで」等の言葉を言うようになりました。そして兄の言う通り急がず落ち着いて打つ事を心掛けているようでした。すると確実に真っ直ぐ飛びます。私は妻が崩れない事や嫌な思いをしない事が目的だったので、それにはとても賞賛して「ナイスショット」と言うと妻は嬉しそうにしており、私もそれを見て、とにかく妻には嫌な思いをさせまいと思ったものでした。

私の行動と言うか症状は自分の性格やトラウマのせいなのに、妻の為にやっている事だと勘違いして妻を逆に苦しめているなんて、この時に至っても全く気がついていませんでした。その後も私の後続組がいるとバタバタするゴルフは続きます。その度に私の急かす行動は治る訳もなく、妻から度々、「急がせないで」とか「黙ってて」と言われるようになり、少し険悪な感じになる事もありました。それでも何とかホールアウト。妻はプレー後に、落ち着いて打つ事の重要性を感じる事が出来たと喜んでいました。スコアはまだまだって感じでしたが、納得のいくショットが出ていた事に満足しているとの事でした。私は妻さえ苦しまなければいいので、それは良かったと本当に思っていました。すると妻から、「あなたももう少し落ち着いて打ってみたら? いつもバタバタしているからショットが安定しないんじゃない?」と言われました。まだ始めたばかりの人にこんなアドバイスを受けるなんて少し心外でした。私からすると、妻の為にと気を使っているのにそんな事を言われる筋合いは無いと思っていました。帰りの車の中は少し険悪な雰囲気でしたが、もう夫婦喧嘩をする年でもないし、家に着く頃には「夕飯どうする?」などと、いつもの我々に戻っていました。

その後、またゴルフとマラソンの練習という忙しい日々が続きます。またこの年は、娘に子供が授かり出産の年でもあった為、妻は娘の体調にも気を使い時には里帰りさせたりと、本当に忙しい日々となっていました。そしてその年の4月には霞ヶ浦ラソンもあります。その前に少しゆっくりして来ようかと言う事で、初めて泊まりでゴルフに行ってみる事にしました。以前から我々は御殿場の時の栖という宿泊施設がお気に入りであり、ここの地ビールレストランが大好きなので、ここに宿泊を取り近隣のゴルフ場で2日プレーする事にしました。このホテルが中々取れずにいつも苦労するのですが、この時は月曜日の休みで楽に予約が取れたので、前後の2日、富士平原ゴルフクラブと富士の杜ゴルフクラブを予約。初めての連日ゴルフをやりました。

そしてここでも当たり前ですが、私の症状が出ます。妻は前回のゴルフで心得たのか、私に仕切りに「急がせないで」「喋らないで」と言い、自分のゴルフに集中しています。自分は相変わらず人がいないといいショット、後続組が来ると途端にバタバタを繰り返していました。妻も段々私のゴルフが分かって来たようで、ちょっと呆れている感じもして来ました。自分でも、私のゴルフは結局、知らない人達に見られていると意識し過ぎて自滅してしまうタイプなんだという事が分かってきました。そしてしまいには妻からアドバイスを受ける始末。「人がいないと思って打ってみたら?」「もっとゆったり構えたら?」「すぐ振らないで少しタメたら?」。立場がまるで逆転してしまったようで、情けなくなる自分を感じてきました。その日はいい天気で少し寒い位で富士山もバッチリ見えとてもいいゴルフ日和でした。妻はそんな景色にも自分のゴルフにも満足出来たようで、その日のレストランでは地ビールを飲みながらご機嫌でした。私はと言うと、妻に言われた言葉に少し自信を失って、翌日のゴルフがとても気が重くなって来るのを感じでいました。

そして、翌日はそんな心の中を現すかのような曇りと雨の天候。妻はしっかりカッパも用意してあり、私は特に装備は無し。傘をさしながらのゴルフです。当日は平日でもあり雨のせいか割と空いており、気分は少し直って来たのですが、今度は雨でグリップが滑り、中々ショットが当たりません。これには絶望的になりました。妻も初めての雨の天候で悪戦苦闘してましたが、それなりに頑張っていました。私は途中から既に投げ出した感じになって来て、妻のお付き合いみたいになっていました。後続組も来ないので、ゆったりペースのゴルフ。妻が打つフォームや姿勢やボールの行方を、初めてと言っていい程ゆっくり見ていました。自分はドライバーは封印、アイアンしか使わず、レイアップやアプローチの練習をしていました。しかしその分バタバタせず、これが良かったのでした。

妻のショットを見ていると、しっかりとルーティーンがされていて、いつも同じようにスイングしています。例えミスショットがあっても、その後は必ず素振り、そしてルーティーンを繰り返し、一定のスイングを心掛けているようでした。感心したのはミスショットが出てもそのまま崩れる事が無く、元に戻せる復元力と言うか精神力と言うか、それは私には無い物でした。私はと言うと、人が見ていると意識し過ぎて崩れ、そして一旦崩れるとどうしようもないバタバタゴルフになってしまいます。それを証明するような今回のゴルフでした。これがスクール行っている賜物か、基本という物かと思いました。私は考えてみると全て自己流でやって来ました。いい年をしたゴルファーがチョロやダフり、トップを繰り返していては本当にみっともない。妻のゴルフを見て、何とかしないとと思うようになったのでした。

富士の麓のゴルフ場は晴れれば富士山が本当に綺麗ですf:id:x-japanese:20211221075138j:image