前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

106.私のダイエットとランニング体験記9

初めてのフルマラソンはとにかく完走を目標に参加しました。制限時間は6時間なので今の自分のペースでは楽勝ですが、とにかくこの身体が最後まで持つのかとても心配でした。季節は晩秋、近隣は紅葉真っ盛り、飛ばさずにペース走を心掛けたお陰で景色をしっかり見ながら走る事が出来ました。そして初めて見る本格的なエイドステーション、また地元の方が出す民間のエイドステーションもあり、色んな食べ物や飲み物がありました。そこら中でガンバレの応援は当たり前、太鼓やブラスバンド、ダンスでの応援には本当に力が湧きました。

フルマラソンの最大の壁と言われる30㎞を過ぎるとさすがに脚が前に出なくなります。この辺りからランナーも歩いている人が目立ってきます。自分も35㎞過ぎから歩いてしまい、それでも頑張って最後まで走り抜き、タイムは4時間37分、最後のゴール前は応援の人がたくさんおり、本当に感動的なシーンでした。必死でラストスパート、そして思った以上の好タイムでゴールする事が出来ました。足腰は疲れ切りもうこれ以上走れない、壊れてしまったような全身を引き摺るように競技場脇の芝生に寝転がりました。とにかくキツかった、辛かった、しかし何とも言えない達成感、そして知らずと涙が溢れてきました。

妻もレース前に故障したにも関わらず、目標の5時間は切れませんでしたが無事ゴールしました。すでに晩秋の陽は傾いて黄昏の時間、2人して競技場の脇の芝生に座りその夕陽を見ながら、特に何も話す訳でも無く何とも言えない達成感を味わっていました。まだまだゴールするランナーを見ながら妻も同じような感動に浸っていたようでした。この光景が、競技こそ違いますがユーミンの「ノーサイド」という曲を彷彿させ、私はこの曲を口ずさみながらいつまでもこの場所に2人して佇んでいました。

しかし、その後が大変でした。着替えもそう、バスの乗車もそう、とにかく足が動きません。まさに身体が壊れてしまったようでどうしようも無く、色んな物に捕まりながらホテルまで辿り着きました。暫くは2人して動けずベットに横たわっていました。想像以上のダメージ、これには参りました。汗で塩まみれの身体なので直ぐに風呂に入りたいのですが動けません。このまま一生動けないのではないかと思う位のダメージでした。明日が休みで本当良かったと思いながら数時間は2人して泥のように横たわっていました。暫くして何とか起き上がりお風呂で汗を流し、やっとの事で夕食に向かいました。そしてカラカラに乾いた喉をビールで潤し、長かった今日のレースを振り返り充実感に浸りました。

本当に大変な身体なのに精神的には最高の気分でした。今まで全く別の世界のスポーツだと思っていた、42㎞というとてつもない距離を自分も走れたんだと思うと、今まで感じた事のない充実感に覆われました。オリンピック選手の言葉じゃ無いですが、今日は本当に自分を褒めてあげようと思いました。そしてこの日から、今後のレースはフルマラソンへと軸足を移して行く事にしました。とにかくランニングを始めて本当に良かったとしみじみ思いました。さすがにこの日は次の話はせず、ゆっくりと達成感を味わいながら、お互いの今日の話をしてお酒と肴を味わいました。

つくばマラソンの距離表示と元気づける言葉f:id:x-japanese:20210904222009j:image