前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

53.帰宅生活の楽しみ

家までは電車で帰りました。荷物もそれほど無かったので、特に妻にお迎えも頼まず一人で帰りました。2時間近く電車に乗るのですが、この時は医師の言葉が思い出され、長く前立腺の周辺を圧迫しないようにするため、空いてる電車の中でも立って帰りました。ランニングをやっていたお陰で足は大丈夫だったのですが、さすがに2時間近くずっと立っていると腰の辺りが痛くなり参りました。かといってあまり腰の周りを刺激するなとの指示もあり、今後が思いやられるような感じになりました。

何とか家に着き妻が出迎えてくれました。結構疲れて、やっぱり通院にしなくて良かったと思いました。私は人の疲労度と動いた距離は比例すると思っているので、いくら電車で移動するとはいえ往復4時間を3週間治療に通うというのは耐えられないだろうと思っていましたが、まさにその通りと思いました。

そんな事を考えながら久しぶり感のある自宅でお茶を飲み少しゆっくりしました。妻にこの3日間の事を一通り説明した後、改めて支度を始めました。今回の一時帰宅で楽しみだったのは、お孫ちゃんの保育園のお遊戯会を見に行く事でした。その為にこの一時退院は絶対にすると決めていたのです。また電車で1時間位かかるのでちょっとしんどかったですが、娘とお孫ちゃんが待つ保育園に2人して出掛けて行きました。

何とか間に合い、お孫ちゃんのお遊戯を堪能する事が出来ました。簡単なお遊戯でしたが、まだ1歳ちょっとで、あれだけ出来るようになるのがとても感動的でした。この感動のお陰で、ますます治療のファイトが湧いて来ました。お孫ちゃんはますます成長しどんどん大きくなるし、そのうち喋るようにもなる。ニコニコしながらヨチヨチ歩く姿や、娘や妻に抱っこされて何か呟いている姿はとても眩しく見えて、絶対に治して元気になって、もっともっとお孫ちゃんの成長を見たいと強烈に思うようになりました。お孫ちゃんの存在は私にとって何よりの特効薬でした。

ロールケーキの端のフィルムに現れたスマイル模様f:id:x-japanese:20210325224934j:image