前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

16.針生検について

妻と待合室にいると、看護師さんがやって来て明日の検査の説明がありました。その中で一番驚いたのが、全身麻酔による検査になるので色々怖い事を言われた事でした。私はこの辺りが認識の甘さで、全身麻酔については殆ど知識がありませんでした。診断の時、先生から色々と説明があったと思いますし、何よりどんな事なのか自分で理解する必要があったと思いました。今の今まで、機械を使い前立腺に16本の針を刺し細胞を取る検査とは言え、眠ってる間に検査が終わりこんな楽な事は無いくらいに思っており、家族に迷惑かけず自分一人でやってくるくらいに思っていたのです。妻は検査については事前に調べていたらしく淡々と看護師さんの説明を聞いていましたので、少し自分が恥ずかしくなりました。その後も看護師さんの説明は進んで行きました。最後に検査とはいえ手術になるので、手術に対する誓約書を書きました。説明の内容をまとめると、検査中の付き添いも必要との事、全身麻酔の方法、検査の手術や全身麻酔の後遺症のリスク説明、術後翌日の朝までは絶対安静状態になる事、酸素マスクや脈拍計等色々な器具を取り付ける事、当然尿道カテーテルを付ける事、肛門から機械を入れる為明日の朝浣腸をする事等。誓約書の内容も、死んでも病院は責任持たない、というように見えて何だかエラい事になった、と気持ちが悪くなってしまい、今からここを抜け出したい気持ちになりました。一通り説明を終えた看護師は忙しそうに帰って行きました。そして妻と2人きりになりました。私の様子が変だと感じたのでしょう、長い間病院にいてくれました。まだ検査段階でこんな不安になるのなら、本当の癌の治療となったら精神的にも耐えられるのだろうかと心配になりました。その後、妻は帰り一人になりました。食事の時間になりましたが、あまり食欲もなく自分はこれからどうなってしまうんだろうって、そんな事ばかりを考え本当に心細くなりました。その夜は中々寝付けず、長い夜を過ごしました。

群馬県嬬恋高原の雲間からの陽光f:id:x-japanese:20200514160831j:image