前立腺癌、重粒子治療体験記

前立腺癌と重粒子治療について、私の経験をお伝えして行きたいと思います。

ダイジェスト、QST病院情報6

照射台に乗り器具を装着され、誰も居なくなった室内は無機質な空間であり、とても不安になりました。まるで映画のセットのようで、どこから重粒子が出てくるのかなどを考えながら、直ぐに照射が始まるのだろうと思っていたら、医師の声がしました。「もう少し、右の腰を浮かしてください」とのマイクの声。何回かこのような身体の微調整を繰り返しました。時には医師がやって来て「もうちょっとこちら」などと言いながら調整をしました。これが結構決まらないのです。とても長い時間調整をやっている感じで、医師も大変そうでした。そしていよいよゴーサインが出そうな時、医師からこの一言。「これから照射を始めます。時間はほんの数分ですが、ピンポイントで患部に照射する為、絶対に動かないで下さい」息もなるべく浅くするよう指示されます。そして、それからが超緊張の連続。動くと他の臓器に当たってしまうと思ったら、それはそれは緊張しました。照射時間はほんの数分なのですが、これが途方もなく長く感じました。そして、「お疲れ様でした。終了です。」と医師が駆けつけて来たと思うと、サッサと器具を取り外し着替えを促されました。照射の間、放射線の熱さや痛さは全く感じず、本当に照射したのか疑問が残りましが、そんな事聞く状況でも無く、着替えたらすぐに次の患者が待っているので、素早く出ないといけない感じです。私はお礼を伝え照射室を出ましたが、緊張感から来る倦怠感とまさに今行われた治療に頭の整理が付かず、受付の待合室で暫く座っていました。そして落ち着いてきたので、来た通路を戻って行きました。第四関門は照射中じっとしていなければならない事です。これは治療に入るまであまり気にして無かった分、結構キツかった思い出があります。         病院棟と新治療研究棟を結ぶ地上通路f:id:x-japanese:20210225131958j:image地上通路と地下通路を結ぶエレベーターf:id:x-japanese:20210217125139j:image